
以前に青森市のあきんど隊隊長の加藤博さんが講演で話されていましたが、青森も高齢者向け都心部マンションが建設され、まちなか居住が進んでいます。その中の問題点として、隣近所とのつきあいが少なく、コミュニケーションがとれないので、孤独感を感じている人が増えているというそうです。
青森でも帯広と同じように自慢の逸品事業を実施していて、その逸品体験ツアー参加者を募集し街巡りをしています (実は、帯広ではこのシステムをまねさせていただきました。
このツアーに近隣のマンション居住の高齢者が参加してお互いに友達になるケースがあり、コミュニケーションの復活に一役買っているそうです。部屋に閉じこもってばかりは友達は出来ません。まちなかをブラブラし、人と出会うことが大切なのだと思います。
有名な建築家で東京大学名誉教授の安藤忠雄さんという方が、あるテレビの番組で話されていましたが、「まちなかの住まいには風呂が無くてもかまわない。銭湯に行けば大きな快適な浴槽に入れるしその場での人と人の出会いがある。

なんでも住宅の中に設備するのではなく、街そのものを自分の住居として考え、足りないところは街の機能を利用するべきではないか?そうすれば年を取っても孤独感を感じることなく人とのコミュニケーションを大切にしながら充実した生活がおくれる。」と言うことを聞き、なるほどと思いました。
昭和の良き時代はまさにそのような社会で、近所の人とお互いに持ちつ持たれつという関係があり、極端な話ですが、玄関に鍵をかけなくても安全な街であったように思います。
各家庭にお風呂が設備され、テレビが普及する中で映画に行くこともなくなり、コーヒーも自宅で入れて飲むようになるなど、すべてが家の中でまかなえるようになってから、隣とのつきあいが無くなり、自分を含めて周りが見えなくなりました。
こうして社会への関心が薄まり、誰が住んでいるのか解らないようになり、街の安全が失われていったのではないでしょうか?
人は一人では生きられない、社会との繋がりの中で生きていることをもう一度振り返って考えるべきなのではないかと最近特に感じています。 (年を取ったせいかもしれません)