帯広中心部から車で約15分ほどに、大正町という地区があります。昭和32年(1957年)に当時の大正村と川西村が帯広市と合併し編入され、帯広市大正町になりました。この頃の人口は、帯広市70,027人、大正村5,873人、川西村16,542人でした。
現在の大正町の人口は3,396人、世帯数1,143世帯です。商店街は帯広−広尾間の国道236号線の道路沿いにあり、「お菓子のあくつ」「ジンギスカンのらむ亭本店」「手作りパンの店麦の穂」などおびひろ商店街自慢の逸品認定店が並んでいます。
この大正地区で、ただ1軒営業していた食品スーパー「ファミリースーパーいしだ」が昨年の12月で閉店になってしまいました。このお店も2009年度自慢の逸品として「手作りの塩辛」が認定され頑張っていました。
今では、中心部の外れにコンビニが1軒あるだけで、食料品や生活用品などの購入に大変苦労しています。
コンビニで調達できない商品は、隣の中札内村にある地元大手スーパーか帯広の稲田地区にある郊外型商業施設「イトーヨーカ堂」に買いに行かなければなりません。どちらも車で15分ほどかかります。車に乗れない人々は、バスに乗って買い物に行かなければならず、このように不便な状況になるとは思ってもいなかったようです。
国道沿いの両端にある大型スーパーに挟まれ、売上が減少していったのが閉店せざるを得なかった原因ではないかと思われます。
また最近、帯広市から広尾まで建設中の自動車専用道路「高規格道路」が隣の中札内村まで開通し、大正町を素通りする車が増え、目の前の国道を通る車がずいぶん減ったという話を近くのレストランのご主人から聞きました。
中札内村には有名な「花畑牧場」や六花亭の「中札内美術村」、チーズ工房「十勝野フロマージュ」など観光資源がたくさんあり、管外観光客の注目の的になっています。
今年から道東道高速道路料金が無料になるので、車利用の観光客が増えると思われますが、高規格道路が中札内まで繋がっているので、途中下車することなく終点で高速を降りると、ますます大正町は素通りになります。大正町だけではなく帯広中心部もうかうかしていられません。
便利な高速道路開通の恐ろしさが見えてきます。
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